わかりやすい債券投資(11)債券価格に関する用語集

次回以降、より実務に近い「債券価格の計算」についてExcelを用いて解説していきたいと思いますが、今回は前提知識として必要な用語について解説します。

  

Clean Price(クリーンプライス):

市場で表示されている債券価格です。なぜ「クリーン」と呼ぶかというと、この価格は実際買い手が払う価格ではなく、次の項目で説明する経過利息を含んでいない、「クリーン」な価格だからです。

  

Accrued interest(経過利息):

経過利息は、売り手が買い手に債券を引き渡すまでに「貰っていただろうクーポンの取り分」です。こうして書いてしまうと難しいのですが、非常に簡単です。クーポンは年2回、決まったスケジュールで支払われることはご存知だと思いますが、クーポンの支払日が来る前に債券を手放してしまったら、どうなるのでしょうか?もし、クーポンが全く支払われないことになったら、だれも支払日当日以外に債券を売りたいとは思わないでしょう。

  

こうしたスケジュールによる売買制限を取り払うのが経過利息の概念で、債券取引おける前提として機能しています。計算についてはやや複雑になるため、次回の投稿でExcelを用いて解説します。

  

経過利息については、債券の受け渡し日によって変動してしまうため、一律の取引価格で参加者にとって分かりやすくするために、こうした経過利息を除いたクリーンプライスが市場にて提示されています。

  

Dirty Price(ダーティープライス):

こちらは簡単ですが、クリーンプライスに経過利息を足した数字で、実際に買い手が支払うべき価格です。

  

32進法:

米国債の価格は10進法ではなく、なぜか32進法です。「100-30」,「100-31」, 「100-32」と来て次は「101-00」になります。「100-33」ではないのです。

  

実務では、この32進法で債券を取引をした後に、通常の10進法に戻して実際の取引金額をお互いに突合させます。「だったら最初から10進法で取引してよ・・・。」と正直思いますが、こうした慣例が続いてしまっているのが現状です。暗算すると非常に混乱しますが、Excelで簡単に10進法化をすることができます。

  

32進法か10進法かの見分け方については、小数点によって判別できます。「.(ポイント)」で切られていれば10進法、「-(ハイフン)」であれば32進法です。

  

Settlement Date(受け渡し日):

実際に債券を取引してから、お金と債券が実際に相手の手元に渡る日付です。債券の取引は、相手の口座に現金を電子送金し、債券を証券口座に送ってもらう手続きに時間が掛かるため、即日受け渡すことが出来ません。

  

米国債であれば取引から1営業日後、それ以外の債券であれば2営業日後の受け渡しが通常です。当然、この日数以外を受け渡し日に設定することも可能です。この受け渡し日は、経過利息の計算に関わってきますので、重要な情報になります。

  

Issue Date(発行日):

債券の発行日です。債券の発行日は、クーポンのタイミングを計るのに重要な情報を与えてくれます。

  

Maturity Date(償還日):

債券の償還日、「わかりやすい債券投資」的に言うなれば、借金の返済日です。こちらの情報もクーポンのタイミングを計るのに重要な情報を与えてくれます。

  

今回は用語の説明に終始しましたが、次回の投稿では実際のExcelを用いて、クリーンプライスや経過利息、そしてダーティプライスを計算したいと思います。

KOLBE TAKUMI

大学卒業後は日系保険会社に就職し、外国債券・為替運用領域においてアナリストやトレーダーを経験。その後、ニューヨークのアセットマネジメント会社にて、米国債券のアナリストやファンドマネージャーを経験した。主な専門領域は、米国経済、米国債、米国商業用不動産担保証券(CMBS)。2019年2月MBA Storiesを立ち上げ。慶應義塾大学 環境情報学部卒、コロンビア・ビジネス・スクール MBA。

KOLBE TAKUMI

大学卒業後は日系保険会社に就職し、外国債券・為替運用領域においてアナリストやトレーダーを経験。その後、ニューヨークのアセットマネジメント会社にて、米国債券のアナリストやファンドマネージャーを経験した。主な専門領域は、米国経済、米国債、米国商業用不動産担保証券(CMBS)。2019年2月MBA Storiesを立ち上げ。慶應義塾大学 環境情報学部卒、コロンビア・ビジネス・スクール MBA。