わかりやすい債券投資(3)信用リスク

前回までの投稿では、債券のきほん中のきほんをお伝えしましたが、今回からより投資に近い概念を解説していきます!まずは債券投資のリスクのひとつである「信用リスク」についてです。

  

信用リスクは「貸したお金が戻るかどうか」という認識をされている場合が多いのですが、実際には「クーポン(利子)が支払われないリスク(期中デフォルト)」と「借金が期日に返済されないリスク(満期デフォルト)」の2つに細分化することができます。

  

まず期中デフォルトですが、債券の発行者は、債券の買い手に対して、定期的に利子を支払う必要があることを前回の投稿までに解説しました。

  

借り手は債券に記載されているクーポンをビジネスの収入等から支払うのですが、ビジネスの不調からこうしたクーポンを期日に支払うことが出来ない場合もあります。こういった借金返済期日までに利子を支払えなくなることを「期中デフォルト」と呼びます。デフォルト(債務不履行)とは、借金を借りる際の条件を守れないことを言います。デフォルトとなった場合、貸し手と借り手の交渉が行われ、借金返済を今後どうやって進めていくかについて話し合われます。

  

注意しなければならないのは、期中デフォルトとなった場合であっても、債券の満期までに借金返済のお金を用意できる可能性は(少ないですが)残されているという点です。そのため、上記の交渉では、クーポン支払いの延期ですむ場合もあります。しかし、多くの場合は期中デフォルトが、借金返済能力の欠如とみなされ、即座の借金返済を求められます。そうした要求に応えられない場合は、破産申請による債務再編などのプロセスに移っていきます。

  

一方、満期デフォルトとは、返済期日に約束された借金を貸し手に返すことができなくなることを指します。利子の支払いであれば、全体の借金額のほんの数%を毎年支払うことになるため、借り手にとっては大きな負担とはならない場合が多いです。

   

しかし、借金の全額返済となると話は別です。借りたお金を一度に全額返す必要があるため、借り手の負担は著しく高くなります。企業や政府であれば、こうした満期になった借金を、他の債券を発行することで「借り換える」ことが一般的ですが、お金を貸してくれる人、つまり投資家が新たに発行した債券を買ってくれないことになったら、借金の返済ができない可能性が一気に高まります。

  

こうした満期デフォルトも期中デフォルトと同様に、時間がたてば返済ができるのかどうかを貸し手と協議の上、返済が可能であれば即時返済または返済期日の延長が決定されます。一方、返済が不可能と分かった場合は、債務再編などのプロセスに移行していきます。

KOLBE TAKUMI

大学卒業後は日系保険会社に就職し、外国債券・為替運用領域においてアナリストやトレーダーを経験。その後、ニューヨークのアセットマネジメント会社にて、米国債券のアナリストやファンドマネージャーを経験した。主な専門領域は、米国経済、米国債、米国商業用不動産担保証券(CMBS)。2019年2月MBA Storiesを立ち上げ。慶應義塾大学 環境情報学部卒、コロンビア・ビジネス・スクール MBA。

KOLBE TAKUMI

大学卒業後は日系保険会社に就職し、外国債券・為替運用領域においてアナリストやトレーダーを経験。その後、ニューヨークのアセットマネジメント会社にて、米国債券のアナリストやファンドマネージャーを経験した。主な専門領域は、米国経済、米国債、米国商業用不動産担保証券(CMBS)。2019年2月MBA Storiesを立ち上げ。慶應義塾大学 環境情報学部卒、コロンビア・ビジネス・スクール MBA。