わかりやすい債券投資(4)流動性リスク

少々期間が空いてしまいましたが、今回は債券のリスクのひとつである「流動性リスク」について解説します。

  

流動性とは、市場において債券が高頻度で取引されているか、つまりその債券の所有者が流動的かどうかを意味します。特定の債券に対する需要が高く、そして供給もそれなりに多いのであれば、市場で高頻度で取引されることから、流動性は高い債券と言うことが出来ます。一方、市場における需要が弱く、流通量も少ない場合においては、流動性が低いとの評価になります。

  

この流動性がなぜ債券投資のリスクになるかというと、「売りたいものをすぐに売れない」、ないしは「買いたいものをすぐに買えない」状況を投資家は嫌がるからです。欲しいものをすぐに買えないため機会損失を生む結果になったり、債券を売ることが出来ないため必要な現金を用意できないといった結果になるリスクがあります。

  

流動性が低い債券は、取引コストが高くなります。特定の債券を直ぐに売りたいのに売りれない場合、売り手はどうするでしょうか?価格を引き下げて一刻も早く買い手を見つけようとします。逆のパターンでも同じで、直ぐに買えない場合は価格を上げて、売り手を見つけようと努力します。こうした低流動性下での需給のマッチングを企図するために、取引コストの上昇が生じるのです。

  

流動性は主に「信用力」と「債券発行量」に左右されます。信用力が高い債券は皆欲しがるので流動性が高くなりやすいです。また、債券の発行量が多い場合も、債券を保有している投資家と債券を欲しがる投資家(発行量の多さは基礎需要の高さを示すため)が多いことから、取引が成立しやすくなります。

  

信用力が高く、債券発行量が多い債券の代表は、米国政府が発行する国債(米国債)になります。米国債は基本的に流動性リスクが他の債券に比して非常に低くなってます。一方で、信用力が低く、発行量も少ない債券の代表は倒産寸前の会社が発行する債券(社債)になるでしょう。

KOLBE TAKUMI

大学卒業後は日系保険会社に就職し、外国債券・為替運用領域においてアナリストやトレーダーを経験。その後、ニューヨークのアセットマネジメント会社にて、米国債券のアナリストやファンドマネージャーを経験した。主な専門領域は、米国経済、米国債、米国商業用不動産担保証券(CMBS)。2019年2月MBA Storiesを立ち上げ。慶應義塾大学 環境情報学部卒、コロンビア・ビジネス・スクール MBA。

KOLBE TAKUMI

大学卒業後は日系保険会社に就職し、外国債券・為替運用領域においてアナリストやトレーダーを経験。その後、ニューヨークのアセットマネジメント会社にて、米国債券のアナリストやファンドマネージャーを経験した。主な専門領域は、米国経済、米国債、米国商業用不動産担保証券(CMBS)。2019年2月MBA Storiesを立ち上げ。慶應義塾大学 環境情報学部卒、コロンビア・ビジネス・スクール MBA。