わかりやすい債券投資(5)債券と株式の市場性の違い

債券と株式は、投資の世界では「伝統的資産」というカテゴリー分けがされており、「投資」と聞いたらまずはこの二種類の資産がイメージされます。しかし、これらの資産では様々な性質が異なっています。今回はその違いのひとつである「市場性」について解説していきます。

  

債券と株式の最も大きい違いが、市場における「統一性」です。株式は、特定の会社から発行される株の種類としては多くても「普通株」と「優先株」の2種類であるため、統一性が高く、取引がしやすいです。

  

一方、債券の場合については、債券の種類だけでなく、満期までの期間やクーポンの利率などバリュエーションが豊富で、信用リスク(発行体や劣後構造)もそれぞれ異なるなど、統一性は著しく低く、断片化されています。

  

統一性の高い株式は「株式市場」という「統一された市場」を介して、「統一した価格」にて取引が行う事が可能となるため、非常に価格の透明性が高いです。一方で、全ての条件が断片化されている債券は、統一された市場が存在せず、多くの場合は取引相手と価格について直接やり取りをする必要があるため、価格の透明性も非常に低いです。

  

そして、この透明性の低さが流動性リスクを高める結果となっており、一般的に債券の取引コストは株式と比較して高くなっています。

  

ただ、債券にも株式市場のような統一された市場を持つ種類もあります。米国債の先物取引や、米国不動産ローン証券化商品(MBS)のTBAなどがそれに該当します。これらの債券については追って解説していきたいと思います。

KOLBE TAKUMI

大学卒業後は日系保険会社に就職し、外国債券・為替運用領域においてアナリストやトレーダーを経験。その後、ニューヨークのアセットマネジメント会社にて、米国債券のアナリストやファンドマネージャーを経験した。主な専門領域は、米国経済、米国債、米国商業用不動産担保証券(CMBS)。2019年2月MBA Storiesを立ち上げ。慶應義塾大学 環境情報学部卒、コロンビア・ビジネス・スクール MBA。

KOLBE TAKUMI

大学卒業後は日系保険会社に就職し、外国債券・為替運用領域においてアナリストやトレーダーを経験。その後、ニューヨークのアセットマネジメント会社にて、米国債券のアナリストやファンドマネージャーを経験した。主な専門領域は、米国経済、米国債、米国商業用不動産担保証券(CMBS)。2019年2月MBA Storiesを立ち上げ。慶應義塾大学 環境情報学部卒、コロンビア・ビジネス・スクール MBA。