わかりやすい債券投資(7)マコーレーデュレーション

債券の価格を語る上で外せないのがデュレーションです。日本語だと、平均投資回収期間とか呼ばれていますが、そのまま訳してしまうと若干誤解を招いてしまうかと思います。なぜならば、デュレーションは、「 マコーレーデュレーション 」と「修正デュレーション」の二つの意味を持つからです。

  

今回の投稿では、マコーレーデュレーションという概念について説明します。

  

マコーレーデュレーション(平均投資回収期間)

  

カナダ人経済学者のフレデリック・マコーレー氏が考案したため、マコーレーという名前がついています。こちらは、最初に紹介した様に、投資に対する平均回収期間を意味しており、債券に投資をしてから、その投資金額を回収するまでにどれだけ時間を要するかを年数で示しています。

  

例えば100円の債券を購入したとしましょう。債券から生じるキャッシュフローはクーポンと償還金(元本返済)ですので、決められたスケジュールに則って、相手からお金が支払われた場合、100円回収するまでにどれくらいの時間を要するかをマコーレーデュレーションは示してくれます。価格が同じであれば、当然クーポンが大きい債券や満期までの期間が短い債券のマコーレーデュレーションは短くなります。

  

実際の計算については、債券から生じるキャッシュフローの加重平均によって行いますが、手で計算するとやや複雑になるため、エクセルにて計算を行います。以下の画像にエクセルの式も記載しますので、是非ともご自身で計算してみてください。

  

  

いちいち表で計算しなくても、エクセルの式(DURATION)を使用すれば一発で計算できるのですが、今回は概念を理解していただくためにあえて原始的な方法で計算させてもらいました。表では、ディスカウントファクター(割引率)という概念を使っていますが、これについてはまた別のページにて説明します。

  

計算では、市場の利回りが5%の時に、クーポン5%で年二回支払い、満期までの5年の債券を100円で購入したことを前提としています。上記の計算結果からは、マコーレーデュレーションは4.485年と算出されており、投資資金の100円を回収するまでには約4.5年要することになります。

  

上の表を見てもらえばわかる通り、債券が生み出すキャッシュフローで最も大きいものが「償還(元本の返済)」です。キャッシュフローの加重平均で計算されているため、必然的に償還時期にマコーレーデュレーションは引っ張られやすくなります。なので、感覚的には「満期までの期間≒マコーレーデュレーション」と考えて頂いてかまいません。しかし、満期までの期間が長くなればなるほど、満期までの期間とマコーレーデュレーションとの乖離が大きくなっていきます。これは、満期までの期間が長い程、債券からのクーポン収入が多くなることから、相対的に償還による元本返済の影響(寄与度)が小さくなるからです。

  

上記の様な計算によりマコーレーデュレーションを計算しますが、実務においてはあまり使用することはありません。それよりも、「金利変動によって価格がどの程度変動するか」、という修正デュレーションの方が重要になってきます。修正デュレーションについては次回の投稿で解説します。

KOLBE TAKUMI

大学卒業後は日系保険会社に就職し、外国債券・為替運用領域においてアナリストやトレーダーを経験。その後、ニューヨークのアセットマネジメント会社にて、米国債券のアナリストやファンドマネージャーを経験した。主な専門領域は、米国経済、米国債、米国商業用不動産担保証券(CMBS)。2019年2月MBA Storiesを立ち上げ。慶應義塾大学 環境情報学部卒、コロンビア・ビジネス・スクール MBA。

KOLBE TAKUMI

大学卒業後は日系保険会社に就職し、外国債券・為替運用領域においてアナリストやトレーダーを経験。その後、ニューヨークのアセットマネジメント会社にて、米国債券のアナリストやファンドマネージャーを経験した。主な専門領域は、米国経済、米国債、米国商業用不動産担保証券(CMBS)。2019年2月MBA Storiesを立ち上げ。慶應義塾大学 環境情報学部卒、コロンビア・ビジネス・スクール MBA。