わかりやすい債券投資(8)修正デュレーション

金利が変動することにより、債券の価格が変動することについては以前の投稿で説明しました。その関係性につき、定量化して数字で理解することができるものが「修正デュレーション」になります。前回の投稿で、投資回収期間を表す「マコーレーデュレーション」について解説しましたが、実はマコーレーデュレーションを実務で使用することはあまりありません。実務で「デュレーション」と出てきた場合、ほとんどの場合は「修正デュレーション」を指します。

  

修正デュレーションは、「市場の金利が動いた場合、どの程度債券の価格に反映されるか」という点を示してくれます。前回の投稿で、市場の金利が上昇した場合に債券価格が下落することを解説しました。実際には、債券の条件(クーポンや満期)によって、金利の変動に際する価格の変動幅には差が出るので、1%金利が上昇したからといって、すべての債券が一様に同じ幅だけ価格が下落するとは限りません。

修正デュレーションの計算はマコーレーデュレーションよりも非常にシンプルで、暗算で簡易計算も出来るほどです。数式としては以下の通りシンプルです。

  

  

それぞれ、MD=修正デュレーション、dP=金利変動後の価格、P=金利変動前の価格、dy=金利変動を意味します。 

  

基本的には、マコーレーデュレーションと同じで、他の条件が同じであれば満期までの期間が長い債券ほど修正デュレーションが長くなります。そして、デュレーションが長ければ長いほど価格の変動が大きくなります。これは、満期までの期間が長ければ長いほど、金利変動による影響が大きくなるからです。

  

以下に年限別のデュレーションと価格変動の比較をエクセル上で計算したものを載せます。

  

  

上記表の「Yield」の部分に関しては、それぞれの銘柄の市場における金利を引っ張ってきています。クーポンではないことに注意してください。見ていただくと分かる通り、年限が長い方が金利変動に対する価格変動が大きくなることが分かります。つまり、満期までの期間が長くなるほど、価格変動のリスクが大きくなるということを意味します。

  

上記の表を見なくても、「満期までの期間が長いほど、不確実性が高いのでリスクが高い」と感覚的に理解できると思います。債券実務の現場では、同じ利回りを取れるのであれば、デュレーションは短い方が良いと言われています。しかし、積極的に価格変動を収益機会に繋げたい場合は、デュレーションを長く取る戦略もあります。

KOLBE TAKUMI

大学卒業後は日系保険会社に就職し、外国債券・為替運用領域においてアナリストやトレーダーを経験。その後、ニューヨークのアセットマネジメント会社にて、米国債券のアナリストやファンドマネージャーを経験した。主な専門領域は、米国経済、米国債、米国商業用不動産担保証券(CMBS)。2019年2月MBA Storiesを立ち上げ。慶應義塾大学 環境情報学部卒、コロンビア・ビジネス・スクール MBA。

KOLBE TAKUMI

大学卒業後は日系保険会社に就職し、外国債券・為替運用領域においてアナリストやトレーダーを経験。その後、ニューヨークのアセットマネジメント会社にて、米国債券のアナリストやファンドマネージャーを経験した。主な専門領域は、米国経済、米国債、米国商業用不動産担保証券(CMBS)。2019年2月MBA Storiesを立ち上げ。慶應義塾大学 環境情報学部卒、コロンビア・ビジネス・スクール MBA。