MBAランキングについての考察

日本人のみならず、世界中のアプリカントが重要な指標として位置付ける「MBAランキング」。

  

  

社費生に関しては、「TOP-位以上のMBAプログラム」と基準を設けられている場合も多く、私費生にとっても上位校であるほど就職で有利であると(いわれている)など、MBAランキングが持つ意味合いは非常に大きいと思われます。

  

  

しかし、MBAランキングは様々な機関が公表しており、その順位も機関によってバラバラです。また、同じ機関が公表するランキングであっても、年毎の上下が激しいため、何を信じてよいかわからないという声も聞こえます。

  

  

大学プログラムの厳密な順位付けなど本来は不可能であることはわかっているのですが、定量的な価値基準が与えられてしまうと、それを信じてしまいがちなのも事実です。

  

MBAランキングを信用するとしても、問題になってくるのは、MBAランキング算出にあたっての「バイアス」です。各校の特色を無視して画一的な基準で評価するため、特定の領域で優れたプログラムであったとしても、ランキング上は低く出てしまうことも多々あります。そのため、必ずしも「ランキングが高いMBAプログラムほど優れている」わけではないと個人的には考えています。

  

具体的な話をすると、多くのランキングは「給与額」や「給与上昇率」などの項目に対する比重が非常に高くなっています。

  

例えば、公共機関のマネジメントに特化したプログラムがあったとしましょう。彼らの就職先の多くが政府や国際機関です。しかし、そういった機関は民間企業に比して給与額が低い場合が多く、出世も比較的遅いことが多いため、「給与額」や「給与上昇率」において、他のプログラムに対して大きく劣後してしまう可能性があります。

  

  

次に、学生の年齢層が高く、幹部候補社員が社費で多く送り込まれるプログラムがあったとしましょう。年齢層が高い分、「給与額」は高くなり、将来の幹部候補ということもあって出世も早く、「給与上昇率」においても高い数値となることが容易に想像されます。結果、こうしたプログラムがランキング上、優位なポジションに位置してしまいます。

  

こうしたバイアスの掛かり方はランキングによって様々であることも留意する必要があります。以下に主要MBAランキングの算出方法について紹介します。

  

FT Global MBA Ranking

FTはMBAランキングの中でも有名ですが、特徴的なのは、(1)サラリーの項目が40%を占める、ことと(2)アカデミックを重視する、点でしょう。サラリーについては、PPP(購買力平価)に基づく調整を行っている点も見逃せません。

卒後3年時点での平均給与額 20%

卒後3年間の給与増加額 20%

論文出版数 10%

その他の項目 1-6%

  

  

US News MBA Ranking

US Newsは米国での学部ランキングの分野で著名ですが、MBAランキングの知名度はあまり高くないかと思います。また、グローバルではなく、米国のみのランキングを作成しています。このランキングの特徴は、アンケート調査が占める比率が非常に高いことです。

学長やプログラム責任者による他校評価 25%

平均テスト(GMAT)スコア 16%

企業採用担当による評価 15%

卒業時点サラリー 14%

卒業時点での就職率 21%

  

  

Bloomberg Business Week Best B-Schools

BloombergはMBAランキングにおいてメジャーな存在ではありませんが、「ラーニング」や「アントレプレナーシップ」といった項目に重きを置いている点が特徴的です。ただ、矢張り給与などの雇用に関する項目に対する比重は非常に高く、”Not surprisingly, pay is the top priority for students and alumni.”と言い切っているほどです。

サラリーIndex 38.5%

ネットワーキングIndex 27.9%

ラーニングIndex 23.1%

アントレプレナーシップIndex 10.5%

   

  

QS Global MBA Rankings

日本でも「QS世界大学ランキング」で著名な、Quacquarelli Symonds社によるグローバルMBAランキングです。このランキングの特徴は、比重の35%を雇用主へのサーベイに基づいている点です。2019年版では、過去6年間(2013-2018年)の調査結果に基づいています。他にも、卒業生による実績やアカデミックの実績、男女比など幅広い項目で評価している点が特徴的です。

Employability – 40%

Entrepreneurship and Alumni Outcomes – 15%

Return on Investment – 20%

Thought Leadership – 15%

Class & Faculty Diversity – 10%

  

上記の通り、基本的には「給与」に関する項目への比重はどれも高いものの、それ以外の項目への比重はランキングによりまちまちとなっています。こうした違いの積み重ねが、ランキング間のひずみを生み出している背景と考えられます。

  

CEIBSのランキングが非常にこうしたひずみの好例となっており、上記のFTランキングではGlobalで5位(3年間平均では8位)に位置している一方で、QSランキングでは25位、Bloombergのランキングでは81位と、ランキング間での順位が大きく異なっています。

  

このように、MBAランキングには特定項目に対するバイアスが存在することに加え、ランキングによってその他の項目への比重もまちまちです。結果、どのランキングを見ても一貫した順位を測ることは不可能です(算出法が違うので当たり前ですが)。

  

ですので、ランキングが社費留学の要件になっている場合を除き、過度に気にしすぎることなく、自らが本当に行きたいプログラムに行くべきだと個人的には考えています。

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MBA STORIES

MBA STORIESは、MBA留学生・経験者と留学志望者を繋ぐ、『共有型メディアプラットフォーム』です。これまで個人ブログで行われていた「留学生の体験や想いの共有」の機会を、そして属人的で断片化していた「MBA情報取得の効率化」の機会を、共通のプラットフォームで提供します。

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